AIに仕事を奪われない為には、デザイン思考が必要!?:「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」を読んでみた
先日会社の勉強会で、「デザイン思考」というものが紹介され、どうビジネスに活かすかなどが紹介された。
勉強会自体はほんの1時間程度だったのですが、この「デザイン思考」というものに大変興味をもったので、速攻Amazonで佐宗邦威さん著、「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」という本オーダーしました。
先程読み終わったので、記憶がフレッシュなうちに気になった箇所と、一応、思いっきり理系のデータ分析屋である私の立場から、感想を上げていきます。
デザイン思考とは?
デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である[1] (Wikipedia)
正直言葉じゃ全くもって理解出来なかったです。
こちらのYoutubeの動画がとてもわかり易くデザイン思考とは何かについて、2分未満で説明されていて分かりやすかったです。
なぜ今デザイン思考が必要なのか?
本書ではその時代背景に、4つの潮流があると主張しています。
潮流1:先進国企業のビジネスに求められるイノベーション
潮流2:一億総クリエーターとなれるインフラの整備
潮流3:機械と人間の仕事の奪い合い
潮流4:自分らしい幸せを求める「足るを知る時代へ」
とあります。
その中でも気になったのが、潮流3の「機械と人間の仕事の奪い合い」ですが、本書にはこの様にあります。
ディープラーニングなどの機械学習や人工知能に(…)代替されにくい職業としては、以下の2つが挙げられています。1.ヘルスケアやラーニング、心理学などの人との「深い」コミュニケーションに関わる仕事 2.デザインやエンジニアリング、経営などの「創造」の中心にいる仕事。
「分析」のような仕事は、人工知能が進化し、様々なデータを分析してパターンを理解し、それを基により効率的な答えを出すことができるようになるため、代替される可能性が高いスキルに分類されています。
一方で、機械が分析した内容をもとに新たな解決策をつくりだし意思決定することは、依然として人間の能力に頼られていることでしょう。
まさにこの「分析」ということをメインにやっている者としてこの潮流はヒシヒシと感じております。
日々様々な高度で便利なソフトウェアが新しく開発され、世の中に出てきています。
上記のようなデータを分析して、パターンを判断し予測を出す、というような業務は一つ前の時代では、高度な統計知識とエンジニア力を有した担当者しか成し遂げることが出来ない事でした。
しかし、現在はDataRobotなど、雑に言えばデータをとにかくぶち込めば、上記の分析をソフトウェアが勝手に最適化してやってくれるという時代です。統計知識も、コーディングも必要ありません。
今分析屋に必要なのは、上記のような「分析力」ではなく、そのデータがどういう意味があるのか、結果をどう解釈して解決策を提示する力が最も必要とされていると思われます。
そういった意味では、統計やコーディングなどを主に得意とする分析屋こそ、「デザイン思考」という思考法が必要なのかもしれません。。
イノベーションに不可欠な3要素
小さきも大きくも、今の時代で自分の価値を発揮するにはイノベーションは必要かと思われます。
本書ではイノベーションに不可欠な3要素として、「構想」「実現」「商売」の3つを挙げています。
構想:人間にとって望ましい姿を構想する=デザインの役割
実現:再現性をもって実現することを可能にする=エンジニアリングの役割
商売:社会にとって影響力を広げていく商売の仕組みをつくる=ビジネスの役
自分はどちらかと言うと「実現」と「商売」的な考えでしょうか。
デザイナー的な要素は全くもってありませんが、逆に私のようなものがデザインを学ぶ事で、より多角的で、ハイブリッドな思考ができるのはないかと思います。
今後必要となってくる人材もこういった3つの要素をバランスよく備えてる人材かと。
デザイン思考法とは
デザイン思考の必要性は十分に感じ、また腹落ちもしました。
それではどうやってデザイン思考を実行していくのか?
本書にはプロセス的な紹介や、KJ法・ポストイット法などが紹介されております。
しかし、個人的にはこの方法についてはあまり現実の活用例がイメージできず、読み終えてしまいました。
おそらく方法論に関してはもっと違う書などを参考にしたほうが良さそうです。
(もしかしたらこういった考え方も非デザイン思考なのかも知れません笑)
最後に
「デザイン思考」聞いたこと有るけど実際何なの?そして何で必要なの?といった方にはとてもうまくまとまってありオススメな本かと思います。
逆に「デザイン思考」を今の職務に活かしていく!とより具体例に入った内容ではないです。
また、「デザイン思考」に興味がなくとも、私を含め、今後AIなどに仕事が奪われて行かれそうな仕事をしている人には、どうやったらAI以上の仕事・価値・イノベーションを生み出せるか考える一つの糸口になる書でした。